クリプトデイリー 2026-09-03

G20議長声明がデジタル資産に言及/Telegramが自己管理型「Gram Wallet」を先行提供/ミームコインのクレカ購入で本人確認なし、NY州が調査。今日の3本です。

今日は「国際的なルールの方向」「ウォレットを自分で持つということ」「本人確認が抜けていた決済」の3本です。3本目は入り口の手続きの話なので、口座やウォレットを作る前に一度読んでおくといい種類のニュースだと思います。

1. G20議長声明、デジタル資産を「経済成長を支える変革的な役割」と位置づけ

G20財務相・中央銀行総裁会議が8月31日から9月1日まで米ノースカロライナ州アッシュビルで開かれ、米財務省が9月1日に議長声明を公表しました。声明では、金融安定を守りながら健全なイノベーションの発展に向けた明確な道筋を設ける方針が明記され、デジタル金融が幅広い経済成長を支える変革的な役割を果たし得ると位置づけられています。具体的には、責任ある効果的な規制・監督の枠組みを進めること、国際基準設定主体に対して民間主導のイノベーションを支援しつつ基準を目的にかなった内容へ調整するよう求めることが盛り込まれました。あわせて、グローバル・ステーブルコインに関するFSB(金融安定理事会)の調査結果への期待、クロスボーダー決済改善ロードマップへの支持、FATF基準の効果的な導入支援の継続も確認されています。

出典: CoinDesk Japan

ひとこと(Jura) — 議長声明は法律ではないので、これ自体で明日から何かが変わるわけではありません。ただ、各国の金融当局が国内ルールを作るときの下敷きになる文書ではあるので、覚えておくと後の規制ニュースが読みやすくなると思います。「イノベーション支援」と「規制・監督の枠組み」が同じ声明に並んでいる、という温度感がいまの位置なんですね。

2. Telegram、自己管理型ウォレット「Gram Wallet」を一部ユーザーへ提供開始

メッセージングアプリTelegramの創業者Pavel Durov氏は8月31日、自己管理型(ノンカストディアル)の暗号資産ウォレット「Gram Wallet(グラム・ウォレット)」を一部ユーザー向けに提供開始したと発表しました。ブロックチェーン「The Open Network(TON)」に対応し、スマートコントラクトはTONのバリデーターにより承認済みとされています。Durov氏はこれを人類史上最大のノンカストディアル暗号資産ウォレットの展開になると表現しており、今後数週間かけて10億人を超えるTelegramユーザーへ段階的に展開される予定です。Telegram内での決済や送金を中心に機能し、従来の「Wallet in Telegram」は「Walt(ウォルト)」に名称変更されて、取引や投資などの機能を提供する別サービスとして展開されます。

出典: CoinDesk Japan

ひとこと(Jura) — ここで押さえておきたいのは「自己管理型(ノンカストディアル)」という言葉のほうですね。取引所の口座と違って、鍵を失えば運営に問い合わせても戻ってきません。使い慣れたチャットアプリの中に入ると心理的な距離が近くなるぶん、この違いが見えにくくなります。名前が「Gram Wallet」と「Walt」に分かれた点も、あとで混同しやすいところなので今のうちに整理しておくといいと思います。

3. ミームコインのクレカ購入に本人確認なし、ニューヨーク州司法長官事務所が調査

ロビンフッドウォレットとFomoにおいて、ユーザーがApple PayまたはGoogle Payに登録したクレジットカードで決済でき、KYC(本人確認)の手続きを経ずに「dogwifhat」などのミームコインを購入できる状況が判明したと報じられました。決済を担当するクロスミント製品が、本来の仮想通貨専用コードではなくMCC5815(デジタルコンテンツ区分)で処理されていたとされ、米大手銀行チェースは該当取引が仮想通貨と認識されておらずコード付与が誤っていた可能性があるとしてビザに調査を申請しています。ニューヨーク州司法長官事務所もこの問題を認識し調査している状況です。クロスミントは、米証券取引委員会(SEC)が一部のミームコインを収集品とみなす見解を示していることを根拠に分類の妥当性を主張。Fomo側はクロスミント経由の入金は全体の約7%にとどまり、大半のユーザーは他の決済手段を利用していると説明しています。

出典: CoinPost

ひとこと(Jura) — 本人確認が要らないと聞くと手軽そうに見えますが、これは利用者側の利便性の話というより、決済の分類コードの取り違えという事故に近い形で起きているようですね。カード会社によっては暗号資産関連の決済を禁止・制限していることがあるので、「通ったから問題ない」とは限らない、という点は押さえておきたいところです。入り口が緩い経路ほど、あとから止まったり巻き戻ったりしやすい、と考えておくのが無難だと思います。

当記事は情報提供を目的としており、特定の暗号資産の購入・売却を推奨するものではありません。 取引には価格変動・流動性・システム障害等のリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。 記事内容は執筆時点の情報に基づきます。