クリプトデイリー 2026-09-17
金融庁が「販売所」への誘導に懸念/IZAKA-YAが日本向けサービス終了/JPYCが韓国Upbitに上場。今日の3本です。
AI生成のイメージ画像です。
今日は「国内取引所の導線」「無登録サービスの撤退」「円ステーブルコインの海外上場」の3本です。どれも、どこで・どの形式で取引するかという足元の話につながります。
1. 金融庁、暗号資産交換業者の「販売所」誘導に懸念
金融庁が7月15日に日本暗号資産等取引業協会との意見交換会で示した論点が、9月17日までに明らかになりました。販売所と取引所の両方を提供する事業者の一部が、収益性の高い「販売所」での取引へ利用者を誘導しているのではないか、という懸念を改めて示しています。2024年11月に施行された改正金融サービス提供法で、全金融事業者に「顧客等の最善の利益を勘案しつつ、誠実かつ公正に業務を遂行する義務」が導入されたことを踏まえ、販売所・取引所のUIの導線などについて事業者と対話していく方針です。同じ資料では、2027年4月1日施行の改正犯罪収益移転防止法施行規則により、対面での本人確認書類がICチップ付きのものに限られ、ICチップ情報の読み取りが必須になることにも触れています。
出典: CoinPost、金融庁「業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点」
ひとこと(Jura) — 販売所は操作が簡単な分、買値と売値の差(スプレッド)が実質的なコストになります。同じ取引所アプリの中に「販売所」と「取引所」の両方がある場合、いま自分がどちらの画面で注文しているかを確認するだけでも、コストの見え方はかなり変わると思います。
2. 「年利150%」掲げたIZAKA-YA、日本向けサービス終了を決定
香港のIzakaya Limitedが運営する暗号資産レンディングサービス「IZAKA-YA」は9月17日、日本居住者向けサービスの終了を発表しました。金融庁が9月1日、同社が無登録で暗号資産交換業を行っていたとして警告書を発出したことを受けた対応です。新規会員登録とレンディング関連サービスの提供を停止し、日本語版サイトは出金ページを除いて9月末で公開を終えるとしています。出金は指定フォームで受け付けるとしていますが、フォームには回答や資料提供が出金の承認を保証するものではない旨の記載があります。
ひとこと(Jura) — 同社は秘密鍵やシードフレーズ、パスワードを尋ねることはないと表明しています。撤退や出金トラブルの時期は、それに便乗した偽の案内も出やすいので、この3つを求められたら応じない、という線引きは覚えておきたいですね。国内で暗号資産交換業の登録を受けているかは、金融庁の登録業者一覧で確認できます。
3. 円建てステーブルコインJPYC、韓国Upbitに上場
韓国の大手暗号資産取引所Upbitは9月17日、日本円建てステーブルコイン「JPYC」を韓国ウォン(KRW)、ビットコイン(BTC)、テザー(USDT)の3市場で取り扱うと発表しました。JPYCにとって韓国ウォン建ての取引市場ができるのは初めてです。発行元のJPYC株式会社は2025年8月18日に資金移動業者として登録され、同年10月27日から資金決済法上の電子決済手段にあたるJPYCの発行を始めています。Upbitの入出金に対応するネットワークはイーサリアムのみで、他のブロックチェーン上のJPYCは直接送れません。
ひとこと(Jura) — ステーブルコインは同じ銘柄でも複数のブロックチェーン上に発行されることがあり、送金先が対応していないネットワークで送ると取り戻せないことがあります。「銘柄が同じ」だけでなく「ネットワークが同じか」を送金前に確認する、という基本がよくわかる事例だと思います。