クリプトデイリー 2026-09-21

米SECがトークン化株式の取引基盤に5年間の「イノベーション免除」/Visaがミームコイン購入のポイント付与を是正へ/2026年4〜6月期の暗号資産VC投資は前期比31%増の56億8300万ドル。今日の3本です。

列柱のある証券取引所風の建物が、右側で光る六角形と四角形のデジタルな格子へと移り変わり、上空に砂時計が浮かぶイラスト AI生成のイメージ画像です。

今日は「株式のトークン化を試す5年間」「カード決済の分類」「事業側に集まるお金」の3本です。価格の話ではなく、制度と仕組みの側がどう動いているかを並べてみました。

1. 米SEC、トークン化株式の取引基盤に5年間の「イノベーション免除」

米証券取引委員会(SEC)は9月17日、トークン化された米国上場株式の取引を促す「イノベーション免除」(Innovation Exemption)を発表しました。一定の条件を満たす取引基盤を「トークン化証券取引基盤(TSV)」と位置づけ、1934年証券取引所法上の「取引所」の定義から命令公表後5年間除外するものです。TSVは、許可を受けた参加者がAMM(自動マーケットメーカー)や流動性プールを使って取引する場を提供します。条件として、取扱銘柄数と売買高に上限が設けられ、スマートコントラクトと取引情報の公開が求められ、従来株の取引が停止されたときはトークン化株式も同時に停止することが必須とされています。免除期間中も詐欺や相場操縦を禁じる規定は全面的に適用されます。SEC委員長はPaul S. Atkins(ポール・S・アトキンス)氏で、SECは免除期間中の実証データを将来の制度設計に活用する方針です。

出典: NADA NEWS

ひとこと(Jura) — 「免除」といっても、規制が外れたわけではないところが要点だと思います。外れたのは「取引所」という枠の適用で、詐欺・相場操縦の禁止はそのまま残り、銘柄数や売買高には上限がついています。期限が5年と区切られていて、その間のデータを見て本番の制度を決める、という組み立てですね。制度が固まる前の試験区間だと理解しておくとよいと思います。

2. Visa、ミームコイン購入のポイント付与「抜け穴」を是正へ

Visa(ビザ)が、クレジットカードによるミームコイン購入の分類を是正する方針を決済処理業者に伝えたと、米メディアのCrypto In Americaが9月19日付で報じました。MCC(加盟店分類コード)は、カード決済がどの業種での支払いかを示す4桁の番号です。一部のアプリでは、ミームコイン購入が電子書籍・映画・音楽・デジタルアート向けの「MCC 5815」として処理されていた結果、利用者が通常の買い物と同じようにポイントやキャッシュバックを受け取れていました。Visaのマニュアルでは、暗号資産の購入には原則として「MCC 6012」または「MCC 6051」を使い、暗号資産取引を示す情報を付けることが定められています。報道では、この是正は9月21日から27日までの週に完了する見通しとされています。ミームコインの購入自体を禁じるものではありませんが、今後は通常のポイント・キャッシュバックが付きにくくなる可能性があります。

出典: NADA NEWS

ひとこと(Jura) — カードの明細に出てくる業種の分類が、ポイントの付き方まで決めているという話ですね。暗号資産の購入は本来「キャッシング相当」に近い扱いで、手数料や利用枠の扱いも通常の買い物とは違うことがあります。自分がカードで何かを買うとき、その決済がどの分類で処理されているかは明細やカード会社の規約で確認できるので、ポイント目当てで使い方を決めている人ほど一度見ておくとよいと思います。

3. 暗号資産分野のVC投資、2026年4〜6月期は前期比31%増の56億8300万ドル

暗号資産金融サービス企業のGalaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)は9月16日、暗号資産・ブロックチェーン分野への投資動向をまとめた調査を公表しました。2026年4〜6月期にベンチャーキャピタル(VC)が投じた資金は約56億8300万ドルで、前期比31%増。案件数は前期比10%増の384件でした(対象は非上場企業)。後期段階の企業への集中が目立ち、全投資額の約78%を後期段階が占め、1件当たりの調達額の中央値も約490万ドルと過去最高に達しています。分野別では取引所・投資・融資が約35億2300万ドルで全体の約6割、DeFiが約4億7800万ドル、ほかにプライバシー・セキュリティ、資産トークン化、AIなどが続きます。地域別では米国企業が投資額の73.5%、件数では39.1%を占めました。同社は2026年上半期を約100億1800万ドル、通年を約200億3700万ドルと見込んでいます。

出典: NADA NEWS

ひとこと(Jura) — VCの投資額は暗号資産の価格とは別の指標で、「事業をやる会社にいくら集まったか」を見るものですね。目立つのは、全体の約78%が後期段階に寄っていて、1件あたりの中央値が過去最高という偏り方だと思います。新しく始まる会社より、すでに規模のある会社に資金が集まっている形です。分野別で取引所・投資・融資が6割というのも、インフラ側に寄っている今の局面を表しているように見えます。

当記事は情報提供を目的としており、特定の暗号資産の購入・売却を推奨するものではありません。 取引には価格変動・流動性・システム障害等のリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。 記事内容は執筆時点の情報に基づきます。