クリプトデイリー 2026-09-23

欧州中銀のトークン決済基盤「Pontes」が9月21日に稼働/バイナンスに対イラン制裁違反の疑いで米連邦検察が捜査、ブルームバーグ報道/サークルが機関向けにビットコイン担保のUSDC借入機能を提供開始。今日の3本です。

今日は「中央銀行が用意した決済の線路」「取引所のコンプライアンス」「ステーブルコイン発行体が始めた借入」の3本です。どれも価格の話ではなく、お金がどの仕組みを通って動くかという話だと思います。

1. 欧州中銀、トークン化資産を中央銀行マネーで決済する「Pontes」を稼働

欧州中央銀行(ECB)を含むユーロシステムは9月21日、トークン化資産のホールセール取引を中央銀行マネーで決済する基盤「Pontes」を稼働させたと発表しました。初期の参加者は同日から実際の取引に利用できる状態になっています。Pontesは市場側のDLT(分散型台帳)基盤と、ユーロシステムの決済インフラ「TARGET Services」をつなぎ、証券の受け渡しと代金の支払いを連動させることで、片方だけが実行されるリスクを抑える仕組みです。当初は基本的な決済機能から始め、参加銀行と機能を段階的に広げて2028年の全面実装を予定しているとされています。

出典: NADA NEWS(CoinDesk Japan)

ひとこと(Jura) — 「ホールセール」とあるとおり、これは銀行や金融機関どうしの大口取引の話で、個人が直接使うものではありません。ただ、トークン化した証券を売買するときに「代金を何で払うか」はずっと論点で、そこに中央銀行マネーという一番信用の高い選択肢が用意された、という構造は覚えておくと各国の動きを読みやすくなると思います。

2. バイナンスに対イラン制裁違反の疑い、米連邦検察が捜査とブルームバーグ報道

ブルームバーグが22日、バイナンスが対イラン制裁違反の可能性について米連邦検察の捜査を受けていると、関係者の話として報じました。ニューヨーク・マンハッタン連邦検事局が主導し、ワシントンの司法省刑事局も加わっているとされています。焦点は、同社が特定の取引を認識しながら見過ごしていたかどうかで、コンプライアンス体制そのものが調べられているとのことです。バイナンスは「イランの主体と直接取引した口座はない」と否定を続けています。同社は2023年11月、資金洗浄防止法や制裁関連法への違反を認めて総額約43億ドルの司法解決に応じています。

出典: CoinPost

ひとこと(Jura) — 現時点では関係者の話にもとづく報道で、当局が正式に何かを発表した段階ではない点は区別しておきたいところです。取引所を選ぶときに手数料や取扱銘柄だけでなく、どこの国のどの規制の下で運営されているかを確認する意味は、こういうニュースで実感しやすいと思います。

3. サークル、機関向けにビットコイン担保でUSDCを借りられる機能を提供開始

米サークルが、ビットコイン(BTC)を担保に同社の米ドル建てステーブルコイン「USDC」を借り入れられる機能「Digital Asset-Backed Borrowing(DABB)」を9月21日に発表しました。預けたBTCに対して1対1で「cirBTC」というラップトークンが発行され、それを第三者の貸借市場に担保として供給し、Circle Mintのアカウント経由でUSDCを受け取る流れです。対応ネットワークはイーサリアムとサークル独自のL1「Arc」で、当初は貸借プロトコルのMorphoに対応し、Aaveへの拡大も予定されています。借入金利や担保条件、清算の基準などは利用者が選んだ貸借市場側で決まるとされています。

出典: あたらしい経済

ひとこと(Jura) — Circle Mintは機関向けのサービスで、個人は使えませんし、ニューヨーク州の顧客も対象外とされています。仕組みとして面白いのは、サークル自身が貸し手になるのではなく、既存のDeFiの貸借市場へつなぐ窓口になっているところですね。そのぶん、清算条件などのリスクは選んだ市場のルールに従うことになる、という点がこの手のサービスを見るときの確認ポイントだと思います。

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