クリプトデイリー 2026-09-24
JPYCなどアジアのステーブルコインを韓国ウォンで精算する実証へ/SoFiの銀行発行ステーブルコイン、マスターカード決済網で稼働/コインベース、量子コンピューターに備えた保管体制を開発中。今日の3本です。

AI生成のイメージ画像です。
今日は「ステーブルコインの出口」「ステーブルコインの使い道」「鍵の守り方」の3本です。前の2本は、ステーブルコインが銀行口座やカード決済とどうつながるかという同じ流れの中にある話だと思います。
1. JPYCなどアジアのステーブルコインを韓国ウォンで精算する実証へ
韓国のフィンテック企業DOZNは9月22日、Kaia DLT Foundation(カイアDLT財団)と業務提携したと発表しました。日本円建てのJPYC、インドネシアルピア建てのIDRP、フィリピンペソ建てのPHPCを対象に、Kaia上での決済から韓国の銀行口座へのウォン入金までの精算処理を技術検証(PoC)します。役割は、Kaia DLT財団がステーブルコイン発行事業者とのオンチェーン接続、DOZNが法定通貨への転換・外国為替・ウォン建て精算を担う分担です。背景には、ステーブルコインを銀行預金に換える経路が複雑で、交換の段階ごとに手数料や為替コストが積み重なるという課題があるとされています。検証結果を踏まえ、対象の国と通貨を順次広げる方針です。
出典: NADA NEWS
ひとこと(Jura) — ステーブルコインは「発行」より「最後に銀行口座へ戻す部分」が詰まりやすい、という構造がよくわかる話ですね。今回はあくまで実証の段階なので、日本の利用者がすぐ使えるサービスが始まったわけではない点は押さえておきたいところです。
2. SoFiの銀行発行ステーブルコイン、マスターカード決済網で稼働
米SoFi Technologies(ソーファイ・テクノロジーズ)は9月22日、ソーファイ銀行が発行する米ドル連動型ステーブルコイン「SoFiUSD」による決済を、マスターカードのグローバル決済ネットワークで開始したと発表しました。SoFiUSDは主に現金で構成される準備資産で裏付けられ、米ドルと1対1で償還できるとされていますが、FDIC(米連邦預金保険公社)の保険対象外です。加盟店側は既存のシステムを変えずに対応でき、1,580万人のソーファイ会員と機関投資家向けに提供されます。年間取扱高は250億ドル超を見込み、両社が今年3月に提携を発表してから6カ月での実用化です。
出典: CoinPost
ひとこと(Jura) — 銀行が発行していても「預金保険の対象外」と明記されているのが大事なポイントだと思います。預金とステーブルコインは見た目が似ていても守られ方が違う、という区別は、日本でステーブルコインを使うときにも同じく確認しておきたいですね。
3. コインベース、量子コンピューターに備えた保管体制を開発中
暗号資産取引所コインベースの暗号学責任者イェフダ・リンデル氏は、ビットコインなどが将来どの量子耐性署名方式を採用しても対応できる保管体制の開発を進めていると説明しました。同社の保管はMPC(マルチパーティ計算)で秘密鍵を複数の断片に分けて管理するのが中核ですが、ハッシュベース署名はMPCとの組み合わせが難しいとされています。そこで、プログラム可能なHSM(ハードウェア・セキュリティ・モジュール)の中だけで鍵を一時的に結合し、署名後に消去する方式を組み合わせるとのことです。リンデル氏は完成時期は約束できないとしつつ、1年後をめどに「すべての方式に対応できる」と言えるようにしたいと述べています。
出典: CoinPost
ひとこと(Jura) — 量子コンピューターの脅威は「いつ来るか」がはっきりしないぶん、取引所側は「どの方式に決まっても乗り換えられる準備」をしておく、という考え方ですね。利用者としては、預け先がこうした長期の鍵管理をどう説明しているかも、取引所を比べる材料のひとつになると思います。