クリプトデイリー 2026-10-05
ECB、中央銀行マネーとトークン化市場をつなぐ3つのモデルを提示/イラン関連ウォレットのUSDT凍結遅れで約55億円が流出=米上院小委員会スタッフ報告/米BNY、クラーケン親会社Paywardと金融インフラ提携を協議=CoinDesk報道。今日の3本です。
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今日は「中央銀行マネーのオンチェーン化」「ステーブルコイン凍結の遅れ」「伝統的金融機関と取引所の接近」の3本です。どれも、ブロックチェーン上のお金を誰がどう管理するのか、という土台の話ですね。
1. ECB、中央銀行マネーとトークン化市場をつなぐ3つのモデルを提示
欧州中央銀行(ECB)のイザベル・シュナーベル専務理事が10月1日、ロンドンでイングランド銀行が開いた「The Future of Money」会議で、中央銀行マネーをトークン化された金融につなぐ3つのモデルを示しました。1つ目は中央銀行がプログラム可能な台帳上でトークン化された準備預金を直接発行する方式、2つ目は既存の中央銀行決済システムを残したままブリッジや同期の仕組みでDLT基盤と接続する方式、3つ目は民間の仲介者が中央銀行のオムニバス口座にある準備預金を裏付けにオンチェーンの決済トークンを発行する方式です。シュナーベル氏は、トークン化金融でも現在の二層構造を維持し、中央銀行マネーを金融機関間の最終決済の中核に置く考えを示しました。ECBは9月21日にTARGETサービスとの接続で中央銀行マネー決済を実現する「Pontes」を始めており、将来の構成を検討する「Appia」も進めています。
出典: NADA NEWS
ひとこと(Jura) — 3つの違いは「中央銀行のお金そのものをチェーンに載せるか」「外からつなぐだけか」「民間がその裏付けで発行するか」です。3つ目のトークンは民間主体への請求権になると整理されているので、同じ「決済トークン」でも誰に対する権利なのかを見分けるのが大事になりそうですね。
2. イラン関連ウォレットのUSDT凍結遅れで約55億円が流出=米上院小委員会スタッフ報告
米上院国土安全保障・政府活動委員会の常設調査小委員会(PSI)の民主党側スタッフが9月28日、イラン関連の資金網を調べた報告書を公表しました。報告書によると、イランが支援するレバノンの武装組織ヒズボラへの資金移動に関わるウォレットから、3460万ドル超(約55億円、1ドル=160円換算)が流出しました。テザー社は2023年6月にイスラエル当局が指定した39のウォレットのうち34件を2024年3月まで凍結しておらず、公表後も資金の流出が続いていたとされています。調査対象の846ウォレットのうち84%はUSDTのみ、またはほぼUSDTのみで取引しており、報告書は指定後の凍結だけに頼る対応では流出を防ぎきれないとして、発行体に継続的な監視の強化を求めています。
出典: NADA NEWS
ひとこと(Jura) — USDTのような中央管理型のステーブルコインは、発行体がウォレットを凍結できる仕組みを持っています。今回はその「凍結できる」と「すぐ凍結される」の間に時間差があった、という指摘ですね。初心者向けに言い換えると、ステーブルコインは発行体の運用ルールと切り離せない商品だ、という点は覚えておきたいです。
3. 米BNY、クラーケン親会社Paywardと金融インフラ提携を協議=CoinDesk報道
CoinDeskは10月2日、米大手金融機関BNY(BNYメロン)が、暗号資産取引所Kraken(クラーケン)の親会社Paywardと金融インフラ分野での提携を協議していると報じました。提携は暗号資産関連商品やカストディ、資産管理、取引、決済など幅広い分野に及ぶ可能性があるとされます。協議は継続中で合意に至るかは決まっておらず、両社ともコメントを控えているとのことです。Paywardは「Payward Services」を通じて金融機関向けのインフラも提供しており、BNYは1月9日にブロックチェーン上に顧客の預金残高を反映するトークン化預金の機能を発表しています。
出典: NADA NEWS
ひとこと(Jura) — 現時点では「協議中」の報道で、合意は確定していません。ただ、資産の保管を本業にする銀行と、取引所を運営する会社が組む方向の話が出てきたこと自体が、カストディ(預かり)の担い手がどう分かれていくかを見るうえで参考になりますね。