クリプトデイリー 2026-10-12
Ledgerの資産流出問題、被害端末から不正な装置を確認/米地域銀行の6割、ステーブルコインによる預金流出を懸念/中国、「国家ブロックチェーン網」の構築を政策文書に明記。今日の3本です。

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今日は「ウォレットの買い方」「銀行の受け止め方」「国の基盤づくり」の3本です。1本目は自分の資産の守り方に直結する話なので、ハードウェアウォレットを使っている人は先に読んでおいてほしいと思います。
1. Ledgerの資産流出問題、被害端末から不正な装置を確認
ハードウェアウォレット大手のLedgerは公式Xで、資産流出の被害を受けた利用者1人の端末から、不正に組み込まれた装置が見つかったと明らかにしました。流出は、東南アジアの販売代理店CryptoBilisからLedger端末を購入した利用者の被害報告で発覚したもので、Ledgerは同社から購入した人に端末を初期化しないよう呼びかけ、すでに設定済みなら新しいリカバリーフレーズで設定した別の端末へ資産を移すことを検討するよう案内しています。調査チームのTibane Labsは「Nano X」に埋め込まれた装置を解説し、画面に送られる表示データからリカバリーフレーズを読み取り、モバイル通信で外部へ送る仕組みだとしています(同チームが調べた端末はCryptoBilisで購入したものではなく、今回の流出との関連は確認されていないとされます)。ブロックチェーン分析企業Bitqueryは10月10日時点で、被害総額を315のウォレットで計9320万ドル(約147億3000万円)と推計しています。CryptoBilisは調査完了まで在庫のハードウェアウォレット全製品の販売を停止しました。
出典: NADA NEWS
ひとこと(Jura) — 報道の範囲では、セキュアチップを破ったのではなく画面に出るフレーズを横から読む手口とされています。ハードウェアウォレットは「端末そのものが改造されていない」ことが前提なので、購入はメーカー公式か公式が認めた販売店に限る、という基本が改めて大事になりますね。手元の端末の購入経路をいちど確認しておくとよさそうです。
2. 米地域銀行の6割、ステーブルコインによる預金流出を懸念
米州銀行監督者協会(CSBS)は10月6日、地域銀行向けの年次調査「2026 CSBS Annual Survey of Community Banks」を公表しました。対象は総資産100億ドル未満の地域銀行で、35州の330行が参加し、調査期間は4月15日〜7月15日です。ステーブルコインの影響として「預金減少と融資余力の低下」を挙げた回答は60.2%(影響が「最も大きい」37.8%、「中程度」22.4%の合計)で、「規制の不均衡や違いを利用する動き」が59.5%、「手数料収入の減少」が47.0%と続きました。関わり方では、基幹システムの提供事業者を通じたネットワーク参加を予定する銀行が37.0%、既存の発行体との提携が12.3%で、いずれも予定していない銀行が48.5%でした。
出典: NADA NEWS
ひとこと(Jura) — 背景には2025年7月に成立した米国のステーブルコイン規制法「GENIUS Act」があります。CSBSは、地域銀行にとっての対応を「先行するため」ではなく「取り残されないため」の取り組みと見ているそうです。新しい「お金」が広がるとき、既存の銀行が何を心配しているかが数字で見える調査だと思います。
3. 中国、「国家ブロックチェーン網」の構築を政策文書に明記
中国共産党中央と国務院は10月9日、政策文書「新質生産力の発展に関する意見」を公表し、製造業などの実体経済とデジタル経済を結び付けるため「国家ブロックチェーン網」を構築する方針を盛り込みました。全国一体型の計算資源ネットワークと並行して整備し、国家データ基盤の整備の一環に位置付けています。同じ項目には、データの権利者の明確化や取引・利益配分、権利保護の仕組みづくりといったデータ活用の政策が並んでいます。
出典: NADA NEWS
ひとこと(Jura) — 中国は本土での暗号資産の交換業務やトークン発行による資金調達を禁じる一方、ブロックチェーンという技術は国のデータ基盤として整える方針です。「暗号資産」と「ブロックチェーン技術」を切り分けて扱う姿勢が、政策文書の上でもはっきり出ている例ですね。