クリプトデイリー 2026-10-24

イーサリアム「グラムステルダム」、テストネットHoodiでの実施を延期/アイルランド中銀、コインベース現地法人に約325万ユーロの制裁金/自民党のサイバー提言、暗号資産の追跡と耐量子暗号への移行を明記。今日の3本です。

線路の上に連なるブロックの前に一時停止の標識が置かれ、虫眼鏡で点検されている横に日付のないカレンダーがあるイラスト

AI生成のイメージ画像です。

今日は「アップグレードの延期」「顧客資金の保全」「国のサイバー対策」の3本です。どれも価格の話ではなく、仕組みやルールが動いた話です。

1. イーサリアム「グラムステルダム」、テストネットHoodiでの実施を延期

イーサリアム財団が10月22日、次期大型アップグレード「グラムステルダム(Glamsterdam)」のテストネット「Hoodi」での実施を延期すると発表しました。当初は10月26日17:42:48(UTC、日本時間27日2:42:48)の予定で、新たな実施日は未定です。理由は、新しい状態(アカウントや保存データ)を作るときのガスコストを引き上げる提案「EIP-8037」と、メインネット上の既存スマートコントラクトとの相互作用を追加で調べるためとされています。同時に予定していたHoodiのガス上限を2億に引き上げる計画も外れました。テストネット「Sepolia」では10月6日に実施済みで、メインネットの実施日はもともと決まっていません。

出典: あたらしい経済、Ethereum Foundation Blog

ひとこと(Jura) — 財団は、今回の発表でメインネットの利用者やETH保有者が対応する必要はないと明記しています。テストネットで既存コントラクトへの影響を見つけて止める、というのはむしろ段階を踏む仕組みが働いている例だと思います。対応が必要なのはHoodiでノードを動かしている人で、各クライアントの案内に従って設定を更新するよう呼びかけられています。

2. アイルランド中銀、コインベース現地法人に約325万ユーロの制裁金

アイルランド中央銀行が10月22日、コインベース・グループ傘下の電子マネー機関「コインベース・アイルランド」に325万2,618ユーロ(約5.7億円)の制裁金を科したと発表しました。2020年11月1日から2025年8月19日までの期間に、2011年電子マネー規則に違反したと認定されています。顧客資金の保全口座では少なくとも18カ月にわたって日次の資金不足が生じ、顧客資金がグループ他社の顧客資金と4年以上適切に分別されていなかったとされます。同社は10月21日に和解して違反を認めており、和解制度による30%の減額が適用されました(当初の相当額は464万6,597ユーロ)。同社は顧客の金銭的損失や資金へのアクセス不能は生じておらず、問題は是正済みと説明しています。

出典: あたらしい経済

ひとこと(Jura) — 中銀が問題視したのは、実際の損失よりも「破綻したら顧客が速やかに全額を取り戻せない可能性があった」という点です。分別管理は、何も起きていないときには見えにくい仕組みですね。国内の取引所を使う場合も、顧客資産をどう分けて管理しているかは各社の開示資料で確認できます。

3. 自民党のサイバー提言、暗号資産の追跡と耐量子暗号への移行を明記

自民党の国家サイバーセキュリティ戦略本部(本部長・平将明衆議院議員)がまとめた「サイバーセキュリティ対策の抜本的強化に関する提言」が、10月22日の党政調審議会で了承されました。現状を「サイバー有事前夜」と位置づけ、官邸主導の「サイバー対処本部(仮称)」の設置を柱にしています。警察庁には不正に取得された暗号資産の追跡を積極的に行うことや、FBI・ユーロポールなどとの国際共同捜査への参画を求めました。国家サイバー統括室には耐量子暗号(PQC)への移行加速を求め、デジタル庁には分散型ID(DID)と検証可能なクレデンシャル(VC)の有用性検証も求めています。

出典: あたらしい経済

ひとこと(Jura) — これは政党の提言で、すぐに制度になるものではありません。そのうえで、暗号資産が「盗まれた後に追いかける対象」として国の対策文書に名前が入った点は覚えておいてよさそうです。耐量子暗号は、将来の量子コンピューターによる攻撃にも耐えるよう設計された暗号のことで、政府機関の優先度の高いシステムから期限を決めて移行を進めるよう求めています。

当記事は情報提供を目的としており、特定の暗号資産の購入・売却を推奨するものではありません。 取引には価格変動・流動性・システム障害等のリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。 記事内容は執筆時点の情報に基づきます。